運動指導者のこれからを一緒に歩みたい、池田扶実子です。
今回は、再確認をかねてトレーニングについて書いてみようと思います。一昔前は、「トレーニングの7原則」と呼ばれていましたが、今は「5つのトレーニングの原則」と、「トレーニング効果の3つの原理」というように分けられています。
高齢者のトレーニングを考える上でもこの原理、原則を今一度、思い出して、指導に活かせて頂けたらと思います。今回は「5つの原則」について書いていきます。
トレーニングの5つの原則
- 全面性の原則
- 個別性の原則
- 意識性の原則
- 漸進性の原則
- 反復性の原則
①全面性の原則とは、特定の身体活動やトレーニングを行うと、特定の器官だけが発達し、偏った身体作りになります。バランスのとれた身体作り、運動が必要だという原則です。
肩こりがひどいから、肩周りをほぐしたり、筋力をつけると言った運動を行う方が多いですが、それで良いのでしょうか?肩こりを起こす原因は?普段の生活姿勢や動きのクセなどを考慮すると、様々な観点からトレーニングを構成することが必要ですね。
私もですが、限られた時間という枠で、ついつい直接的な運動を指導してしまいがちです。気をつけるべきですね。
②個別性の原則とは、対象者の性、年齢、体力、生活環境・正確・運動の嗜好など、個人の特質を考慮し、特に個人の健康状態と体力レベルと特性に応じてトレーニングを行うという原則です。
私の高齢者指導では、この原則で大切にしていることがあります。それは、個人の嗜好と性格です。集中力が長続きできる人、出来ない人……これだけでも、トレーニング時間や種類を考慮します。
高齢になればなるほど、集中力が続きません。あなたも経験があるのでは無いでしょうか?同じ部位の運動でも方法を変え、違うことを行っているように見せかけたりします。
③意識性の原則とは、トレーニングの目的を明確にし、自覚を持ってトレーニングする必要があると言う原則です。
対象者は、身体活動や運動と生活習慣病の予防などなど、目的を明確にすることが重要です。目的あればこそ、努力も出来る!と言うことだと思います。
また、トレーニングしている筋や動きに対して「意識する」ことは、神経の伝達能力にも大きく関与します。私は、とても大切な原則だと思っています。なのでトレニング中には「この筋ですよ」と、声をかけタッチ(触れる)します。意識を高めて頂く為に行います。
④漸進性の原則とは、確実な効果を期待する場合、トレーニングにおける運動負荷(強度・時間・頻度)を徐々に高める必要があるという原則です。
高齢者指導においては、負荷を上げる(強度)ということはなかなか難しいですよね。筋力トレーニングにおいては、負荷を上げる=重量だけではありません。筋収縮の方法を変えるだけでも、筋出力は大きくすることが出来ます。
高齢者指導においてのこの原則で、一番難しいことが「頻度」だと思っています。あなたはどうですか?週に1回のトレーニングでも効果が無いとは言いませんが……私の経験では、高齢者のなればなるほど、普段の生活習慣を変えることを嫌います。
クラブなどの施設で2回のトレーニングに自宅でもう一回……と思って、自宅でできる運動を覚えて貰うのですが……(T_T)
なかなか実現できません。
⑤反復性の原則とは、運動の効果を得るには、運動を規則的に一定の期間繰り返す必要があるという原則です。
この原則を高齢者指導にあてはめると、意外とクリアできるのではないでしょうか?但し、病気などの理由により「中断」と言うことはありますが、ご自身の身体に対して注意深い高齢者の方々は、規則正しく……この時間は運動と決められると、かなり真面目に通われる方が多いように感じています。
以上が、5つの原則です。「そういえば……と思われたかたも多いかも知れません。
この5つの原則について、私は、「ミクロな見方」「マクロな見方」の2つの面から考えます。これらについては次回以降に書くか?「無料セミナー」でお話しするか?考え中です。
次回も宜しくお願いいたします。
あとがき
暑い夏……やっとお盆……今日は朝から父の仏壇の掃除などバタバタと家を掃除して回りました。掃除をすると、良いアイデアが出たり、少し落ち込んでいると元気になったり……。
お掃除は元気の「源」なのです(*^o^*)
私が以前からお伝えしていました「塾」についての詳細が決まってきました。今月中に公表します。高齢者指導に興味のある方は是非、参加して欲しいです。
私が高齢者指導を始めてから約30年。私の考えること、症例全てを開示していきます。
ではまた……良いお盆休みになりますように(^^)/