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指導者向け

後期高齢者に必要な筋力を考察する

運動指導者のこれからを一緒に歩みたい、池田扶実子です。

今日の記事は、後期高齢者の筋力についてあなたと一緒に考えていこうと思います。

高齢者の指導において、筋力アップは欠かせないですよね。年齢と共に筋力が落ちていくのは、どのような面から見ても明らかな事実です。

では、いくつから高齢者と呼べばいいのでしょうか?運動指導にとって、とても重要な要因です。今の世の中、私は「後期高齢者」からでは良いのでは?と考えています。

あなたはどう考えますか?

65歳から高齢者と呼ぶのが一般的になっていますが、今や65歳定年が当たり前の時代。また、お元気な方が多いですね。海外旅行や趣味のサークル、運動と、”団塊の世代”の方々はたくましいです。

なので私は、”高齢者”とは後期高齢者を指しても、差し支えがないと思っています。運動の種類や強度、頻度、時間(FITTの原則)に留意が必要な高齢の方々の運動指導を「高齢者指導」と考えた上で、この先の話を進めて行きます。

「高齢者指導」を考える時……介護予防の観点から考えても、脚力維持、改善を一番に挙げたいと思います。なぜなら、歩くこと、身体を支えることが出来なければ、日常の生活が大きく変わり、介護される立場になるからです。

では「筋力アップ」について、考えていきましょう。

理論上では、いくつになっても筋力(パワー)をアップさせることが可能であるとされています。ですが、実際の所……後期高齢者の方々に当てはめることが出来るでしょうか?

よほど一生懸命努力行わない限り、無理ではないでしょうか?

ネガティブな意見で申し訳ありません。ですが、実際に「トレーニング」は、単一筋、筋群をトレーニングすることで、脚力だけにフォーカスしたとしても、数多くの動作が必要になります。と言うことは、時間も集中力も沢山必要です。

そして何より「疲れる」……。

私の経験から言うと、多くの後期高齢者にとって筋トレ(レジスタンス運動)は、時間にして1時間が集中力のMaxだと思っています。グループエクササイズなら、飽きずに集中力を保ったまま出来ることも多いですが、1対1の個人指導になると、途中に休憩の意味で、多少の世間話やリリースを挟まないと難しいと感じています。

私は、グループでは40分、パーソナルの場合はストレッチング込みで1時間。トレーニングだけなら30分でセッションを行います。理由は、上記に書いたとおりです。その分、週間の頻度を上げて頂くように努めています。

なぜなら、「疲れる」と感じてしまうと、次が億劫になる……疲れると身体が弱るというお考えをお持ちの高齢者の方々は、少なくないと感じています。特に、運動初心者の方々では多いです。なので、1回の運動で沢山行うよりも、日を変えて少しずつ行うという方法を行っています。

余談ですが、私の父が生前……毎朝、毎夕に散歩を日課にしていました。たまに時間を早く切り上げて返ってきた父に、
私「早いね?」
父「今日はしんどかったから1周で止めた」
私「もう1周やれば良かったのに……」
父「疲れたら、明日やるのが嫌になるし、動かれへんようになる」……。

こんな会話をよくしたものです。お客様数人にも聞き取りしたところ、後期高齢者の方々からは、同じ答えが返ってきました。

億劫になる→行かなくなる(回数が減る)→止めてしまうというケースが多いです。やはり、楽しい・元気になれる、元気になれるような気がする……このような実感や感想を持って貰うことがとても大切です。

運動初期には、神経筋促通が起こります。それは神経との同調により、潜在的に持っていた筋力が発揮されると言うことです。

例を挙げると、初心者が初めて筋トレを始めたときに、5Kgのプレート(ダンベル)だったのが、数回続けただけで、その重量を超えて行えるようになる。

あなたやあなたの顧客にこのようなケースはなかったですか?筋肉と神経の協応性が改善され、本来持っていた筋力が現れてきます。これを、お客様が「筋力が上がった」と勘違いされる……。

喜ばしい勘違いだと、私は考えています。このことによりモチベーションが大きく上がるお客様は多いです。神経筋促通を感じて、トレーニングを進めていくと、だんだん持久力が改善されていきます。

この時点で考えることがあります。持久力が上がってくれば、普通は次の段階「筋肥大」そして、「筋パワーのアップ」です。筋の出力を上げるには、筋肥大が起こらないと、パワーはアップしません。

筋肥大という段階は、非常に筋肉を刺激し、疲れさせます。疲れると身体が感じて初めて「筋肥大」が起こるからです。この段階を後期高齢者が進むことが出来るでしょうか?

私は無理だと思っています。一部の元気な方なら大丈夫かも知れませんが、次の段階に進むには、よほどの根性と努力と体力が必要になるからです。パーソナルトレーナーを毎日つけることの出来る方(お金に余裕と時間を使える方)でも、運動に対して大いなる欲求をお持ちでないと、続けることは出来ません。

私は20年ほど、セレブな方々の指導を行ってきましたが、いかに楽に運動するか?もしくは少しくらいの辛さなら、頑張れると言う方々ばかりでした。これが「本音」ではないでしょうか?

ではどうするか?

私の結論……持久力を維持する、またはアップさせること。日常生活が出来ている今を、いかに持続することが出来るかが、私の指導の目標です。

持久力維持・アップであれば、有酸素運動や軽い筋トレでも十分対応できます。強度よりも頻度を重要視し、できるだけ運動できる機会を増やすことが体力アップはもちろんのこと、メンタルヘルスにも良いことだと感じています。

ある研究結果では、できるだけ沢山の回数を繰り返すことで、筋力はアップしたという報告もあります。

後期高齢者への筋トレは、無理なく、楽しく続けられることと、生活の質(QOL)が上がったと実感できることではないかと思います身体を支え、歩くことが出来れば、自分の世話は自分で出来ます。出歩くことで、人と会い、話をし、様々な刺激を受けることが出来ます。

それが、認知症の予防や張りのある生活(日常)に繋がるのではないでしょうか?

あなたは、どう考えますか?
是非、ご意見や感想をお寄せください。また、質問なども受け付けています。お問い合わせをクリックしてくださいね。

次回の「無料セミナー」では、FITTの原則について解説したいと思います。一昔前はFIT原則でしたが、そこに運動の種類を加えてFITTの原則と呼んでいます。

高齢者の運動を、頻度・強度・時間・運動のTypeの観点から、高齢者の運動指導を考察したいと思います。お時間のある方は是非、ご参加下さい。お待ちしています。

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あとがき

あの有名な高齢者の「タキミカ」さんは、60歳くらいで運動を始めたとありました。あの身体を90の齢を超えて維持出来るのは、並大抵の努力ではないと思っています。

私は、高齢者指導に携わり「80歳の壁」というものを、感じています。80歳を超えると、気力が落ちる方が多いようにも感じています。萎えると言うよりも、何か身体に変調があると落ち込む方が多いという感じです。

秋も近づいてきましたね。
何よりも朝夕が過ごしやすい大阪です。

また、上半期が終わりに近づき、下半期に突入です。インボイス制度もどうなることやら……増税だらけです((T_T)

明日も明後日も、あなたの大きな笑顔とパワーで、お客様を元気にして下さいね(^^)/

ABOUT ME
池田 扶実子
運動指導者でありながら、身体を動かすことよりも考えることが好き。やりたいことを形にすることが大好き。 運動指導者として35年以上・教育者として30年、ここまでがむしゃらにやってきました。 仕事を終えるその日まで、指導者の働き方改革と人々の健康を発信し、応援し続けます。