快適に動ける体づくりのお手伝いをする、平田智子です。
いくつになっても気になるというお声をいただくのが、「お腹がでること」お腹周りの骨は背骨以外ないので、筋肉が弱くなると前にせりだしやすくなります。筋肉を鍛えることは未来の体にもプラスになるのでおすすめです。今回は、ドローイン(Draw-in)をお伝えします。
ドローイン(Draw-in)とは、お腹をゆっくりへこませながら呼吸を行い、体幹の深部にあるインナーマッスルを働かせるエクササイズです。
特に使われるのは「腹横筋(ふくおうきん)」。
お腹まわりをぐるっと囲むように存在し、背骨や腰を支える体のコアの役割を果たします。天然のコルセットのような筋肉です。
この筋肉がしっかり働くことで、
・姿勢が安定する
・腰の負担が軽くなる
・呼吸が深くなる
・お腹まわりの締まりがよくなる
など、日常動作がぐっと軽く感じられるようになります。
更年期以降にドローインが効果的な理由
更年期以降は、ホルモンバランスの変化もあり
・お腹まわりに脂肪がつきやすくなる
・姿勢が崩れやすくなる
・腰の疲れ感が出やすくなる
・呼吸が浅くなる
などの体の変化が起こりやすくなります。
体を動かすにあたり体を支える力を取り戻していきましょう。
ドローインは、
・激しい動きが不要
・関節への負担がほとんどない
・家事の合間や移動中でもできる
・呼吸と連動して自律神経にもやさしい
という特徴があり、更年期以降の体調と相性が非常に良いエクササイズです。
ドローインの行い方(やさしく・確実に効かせる)
仰向けバージョン
(仰向けの方がわかりやすい)
1.背すじを軽く伸ばし、両膝をたてる
2.鼻から息を吸い、お腹がふくらむのを感じる
3.息を吐きながら、お腹をスーッとへこませる
4.そのまま自然に呼吸を続けて 5〜10秒キープ
5〜10回くり返す
お腹をへこました時に腰は反らない。腰と床の隙間が大きい場合はタオルなどを入れる
ポイント
・お腹を固めすぎない(奥のほうが薄くなる感覚)
・息は止めない
・肩に力を入れない
ムリに力を入れなくても、腹横筋はしっかり働きます。
こんな方に向いています
・お腹まわりの変化が気になってきた
・腰が重い
・疲れやすい
・姿勢の崩れが気になる
・深い呼吸がしづらい
・運動が苦手だけど、体のケアはしたい
・家事や仕事の合間にできるエクササイズを探している
ドローインは“ながら”で続けやすいのが最大の魅力です。今回は仰向けで行うパターンでしたが、立っていても座っていても、ちょっとした時間を使ってできるため習慣化しやすいです。
更年期以降は、少しずつ変化していく体に不安を感じる時もあるかと思いますが、内からの安定感をアップさせましょう。
ドローインは、自分のペースのまま、体幹の基礎の力を取り戻していけるやさしいエクササイズです。続けることで、姿勢・呼吸・腰の感覚が少しずつ軽く変わっていきます。
「何か始めたいけれど、きつい運動は続かない」という方にもピッタリ。
今日の数十秒から、まず一歩を始めてみませんか。
