運動指導者の働き方改革を推進する、池田扶実子です。
私はグループ指導における「筋膜リリース」のクラスを指導して10年以上が経ちました。その間、筋肉の位置や筋肉の種類によって、リリースの方法も考察してきました。
例えば、大腿四頭筋の大腿直筋は”羽状筋”なので、中心部がかなり緊張を起こします。このように筋肉の繊維の方向や、種類によってもアプローチの変化が必要です。
また、筋肉へのアプローチも部位によって、また参加者の筋肉の大きさによって圧の強さも変化が必要です。
私の参加者は高齢の方が多く、関節可動域も狭く、また筋肉量も少ない方が多いです。体型も、お腹が出ている方が多く、出来ないポジションもあり、かなり工夫が必要です。
ですから使用するツールの選択もとても重要だと言えます。
使える物、ある物をどのように使うか?道具を増やすのではなく、ある道具の使い方を考えるのです。
道具の使い方は次回にして、本題です。機能改善を行う指導は、部分的では改善につながらないと言うことです。
例えば膝膝変形性関節症のかたは、ふくらはぎの筋肉の緊張が非常に多く、それは足部と膝の関節の連動が上手くいかないからだと考察します。
膝の関節と股関節は同期して動くので、同時に股関節へのアプローチも必要です。
股関節から骨盤、脊柱へとつながっているので、やはり全体的にリリースし、バランスを取ることが必要になります。
またリリースして終わりでは無く、そこから筋肉のバランスを取り戻すための「ストレッチング」と、筋肉のパワーを戻す「筋トレ」が必要です。
“ストレッチング””筋トレ”に関しても、方法とポジションが重要なポイントです。例えば、膝の悪い人に、大腿部の筋力アップさせるために、フォワードランジを選択……おかしいですよね。できるだけ膝への負担を減らせるトレーニングを選択すべきですよね。
また骨粗鬆症の人に、仰臥位での足抱えするストレッチ……これも圧迫骨折の危険性を考えるとNGですね。
トレーニングだけで無く、日常の動作の修正指導が非常に重要です。私達が顧客に対して指導する時間は、せいぜい一回60分です。一日のうちの1時間です。残りの23時間の過ごし方が変わらなければ、トレーニング指導の結果はなかなか出ません。
姿勢の改善をされる方が多いですが、立つ・座るだけでなく、日常動作における姿勢の考え方が大切です。
このように、機能改善というものは部分だけで無く、全体を考察することが重要なのです。この基本になるのが、基礎知識です。
基礎知識を応用し、方法を見つけていくことがとても大切です。知識もアップデートされています。是非この機会に、基礎知識の見直しをオススメ致します。