運動指導者の働き方改革を推進する、池田扶実子です。
ここ最近の3回は「高齢者指導について」記事にしてきました。
(ご覧になりたい方はコチラから)
自分の仕事として「高齢者指導」を行い、間近に父の生活を見ながら、父から沢山のことを学ばせて貰いました。
歳を重ねるごとに、辛くなる動作・出来なくなること・精神的なもろさを、父を通して見ていました。
もちろん、お客様は同じような歳であっても「個人差」があり、同じだとは考えてはおりません。しかし、学ぶことは沢山ありました。
父は、私がどのような仕事をしているのか知っていながら、言うことは余り聞きませんでした(苦笑)
毎朝、お友達と喫茶店に行く父は、そこで同じ年齢の方々と色々な話をし、また共有・共感していたようです。「誰々がこう言ってたから、一度やってみるわ」……私としては”あんぐり”です。
専門家である私を無視して、身近なおじいちゃんたちの話を信じて行動する(苦笑)私は今のなって思うのですが、同じような立場……身体の痛みや苦痛・悩みを共有できる人たちの言うことの方が、父にとってはリアルだったのだと…。
私が講師として”表彰”を受けたときでさえ「ふ~ん」でしたから(笑)
私が高齢者(主として、後期高齢者)の方々の信頼を得ることが出来たのも、父と共に生活し、父が何に困ることがあり、どのように気をつけて生活しているかを観察し、それを自身のお客様に当てはめて、こうかな?あ~かな?と試行錯誤して方法を考える・プログラムを構成することをしてきたからです。
父が何故、私の言うことを聞かずにお友達の言うことに耳を貸していたのか?
「どうせ、おまえにはわからん」
これに尽きるのだと思います。所詮、若い(若くは無いですが、父よりは若い)お前に俺のつらさや、しんどさは理解できないと言うことだと思います。
私は、高齢者指導においては絶対に行うこと……それは、何故これを行うのか?行わないといけないのかを説明することです。
それは何故か?
どんなに頑張っても、身体のつらさ・痛み・生活への支障は、頭で理解できても、感じることは出来ません。だからこそ、理由づけを大切にしています。
高齢者のお客様は、私よりも人生の先輩です。だから”専門家”としてアドバイスします。
常に”敬う”、今で言うリスペクトしています。その気持ちが通じると、お客様は、私を専門家として認識し、色々な話をしてくれるようになります。
そこでやっと”信用”が生まれ、積み重ねて”信頼”に変わります。
「がんばりましょう!」……
あなたはよく使いませんか?この言葉…。
うちの父に言わせれば、「頑張れ!というのは簡単やけど、やる方は大変やねんで」と返ってきました。
その通りです。
私には、父の身体のつらさや老いる恐怖は、理解できませんでした。
理解できる振りをするよりも、それを少しでも改善するための方法を論理的に、分かり易く伝えることを選びました。
これが私の寄り添い方です。
後書き……
今日は「父の日」ですね。
昨日が、父の3回目の月命日でした。
父を思い出して、今日の記事になりました。まさかに、今年の父の日に、父がいないなんて思わなかったことです。
今日の日を大切に、どうか素敵な「父の日」にして下さいね。
私は今、これを書きながら、父の仏前にスピーカーを置いて、好きだった演歌をずっと流しています。
素敵な一日をお過ごし下さいね。