快適に動ける体づくりのお手伝いをする、平田智子です。
前回は、肩こりを引き起こす原因についてお伝えしました。長時間のスマホやパソコン作業で、ついつい姿勢が崩れてしまうこと、あなたも思い当たるのではないでしょうか? しかし、意識するだけでも体は変わります。気がついたら姿勢を正す習慣をつけていきましょう。
肩こり予防の姿勢のポイント
正しい姿勢では、背筋を伸ばし、骨盤の上に頭を乗せるようにします。横から見たときに「耳たぶー肩峰ー大転子」が一直線になり、背骨のS字カーブが整っている状態です。このとき、左右の肩の高さが揃っていることも重要です。
ここで「肩の位置」に注目してみましょう。
肩が上がっているとき、肩甲骨はどうなっているでしょうか?
肩が上がると、肩甲骨も一緒に持ち上がり、首がすくんだ状態になります。この姿勢が続くと、首や肩の筋肉が常に緊張し、肩こりを引き起こしてしまいます。
また、「巻き肩」の状態になると、肩甲骨が背骨から離れ、外側へ広がってしまいます。すると、腕が内側に入りやすくなり、肩が前方に巻き込まれた姿勢になります。この姿勢では、胸の筋肉が縮こまり、肩甲骨を支える筋肉が弱くなりがちです。結果として、肩が前に出たまま固まり、肩こりや猫背の原因になってしまうのです。
では、肩甲骨をどのような状態にすればよいのでしょうか?
理想的なのは、肩甲骨を軽く下げて背骨に寄せるようなイメージです。
・肩をすくめず、リラックスした状態で肩甲骨を少し下げる
・肩甲骨を背骨に寄せるように意識する(寄せすぎて力みすぎないように注意)
・胸を軽く開くような感覚で、無理のない範囲で肩の位置を整える
この状態を意識すると、肩の力みが取れ、首や肩まわりの筋肉の緊張がやわらぎます。デスクワークや立っているときに、ふと肩の位置を確認して、肩甲骨のポジションを意識してみてください。