共に在り、共によろこび、共に実現する
if-planning
高齢者指導

高齢者の脚力維持を考える

運動指導者のあなたと共に歩みたい、池田扶実子です。

今回は高齢者ににおける「脚力維持」について、一緒に考えていこうと思います。

「足腰を鍛える」とよく言いますが、高齢者においては具体的にどのようなことを指すのでしょうか?

私は自身のミッションとして、「高齢になって、死ぬその日まで自分でトイレに行ける社会を作る」と言うことを挙げています。実際に高齢の方々から話を聞くと、介護のお世話になりたくない・寝たきりになりたくないと言われています。

この希望を叶えるとしたら、”歩ける”と言うことが出来なければ、それは実現しません。

具体的に書くと、身体を支える力があること、股関節~足関節が機能して動くことが必要です。立つ・支える・歩くが出来ることです。

脚力だけでなく、足を動かす機能を併せ持つことが重要ですね。

高齢者の筋力……例として大腿四頭筋を挙げると、30歳の時の筋力が70歳になると50%以下になると言われています。これを根拠に、パーソナル指導者の多くは、脚力を上げるように指導します。ですが、”どう動かすのか?”という、機能のトレーニングが抜け落ちている方がよく見受けられます。力があっても動かす機能(ファンクション)が伴わなければ、歩くことは出来ません。

グループエクササイズ指導者の強みは、楽しみながら機能を上げるレッスンが出来ることです。もちろん、脚力強化も……ですね(^^)

まず、高齢者の多くが持つ足の悩みは……膝イタ・外反母趾・股関節痛などがあります。膝の変形や股関節痛により、足部の動きが悪く(底・背屈が出来ない)、すり足になっている方も多いです。

膝の関節が完全に伸びない(曲がったまま)状態になってしまうと、もうすり足でしか歩けなくなります。ですから、そこに至る前に何らかの強化や改善が必須になります。

おそらくですが、あなたの指導現場にはそれほどに悪化したお客様はいないのではないですか?それはその場所までに、歩けないと(動けないと)参加できないからです。その意味では、今対処すれば、なんとかなる方々ばかりです。

だからこそ、今のうちに指導することが重要です。

今、あなたのクラスに来ている方々の足の動きは?観察したことがありますか?私の場合は、股関節も膝も動く(曲げ伸ばしが出来る)が、関節の可動域が狭い・足の動き(底・背屈)が良くないという方が一番多いです。あなたの周りも同じではないでしょうか?

そのような方を対象に、書き進めていきます。

使わない筋肉・動かせない筋肉は緊張し、堅くなります。そうなると動きに制限が出ます。ですから、先ずは筋肉の状態を知り、その状態はなぜ起きているのかを考察する必要があります。

身体の働き(筋肉と骨)を知るには、筋肉の位置と関わる関節を先ずは理解することです。それさえわかれば、どんな動きが出来なくなるのか?それらを改善すればどのように変化するかが理解できます。

少しでも機能や脚力を上げるためには、足回りの筋肉の働きを知る必要があります。

膝の関節を伸ばすことが出来て、股関節も狭いながらも動くのであれば、先ずは普段から、関節を大きく動かすことや緊張している筋肉をほぐすことが解決の一歩です。

実際の生活の中で、膝を伸ばす機会はあまりありません。意識して動かすことが必要です。このようなことを、あなたの指導するクラスで行えば、問題解決になるのではないでしょうか?

脚力(パワー)と機能(ファンクション)の両方を兼ね備えることがポイントです。そのためには「知識」が必要です。

例を挙げると、足の底・背屈が出来ていない(すり足気味)の場合は、ふくらはぎの下部(後脛骨筋)などが緊張している場合がほとんどです。そしてその方の膝の状態を見ると、膝が曲がったまま(緩んだまま)動いている方がほとんどです。

このような場合に私は、まずふくらはぎの緊張を取るように努めます。次に、膝を伸ばすような動作や股関節を曲げる動作をクラスに組み込んで、何度も練習し、普段の動作と置き換えていきます。

脚力だけでなく、高齢者指導において基本的知識はとても重要です。身体の基本を知り、年を重ねるごとに低下していく機能を知り、それらに対処することが、高齢者指導です。

また、次回も続けてこのような内容を書いていきますね。

もっと詳しく書きたいのですが、なかなか文章だけだと説明しづらいので、無料セミナーを行っています。

主に「高齢者指導」を中心に開催しています。興味のある方は下記のボタンをクリックしてくださいね。

    後書き

    春爛漫……桜が満開です。今年は4月に咲いて、春らしくなってきました。お客様の動向を見ていると、スポーツクラブへの参加も足繁くなったような気がします。

    今月は開催中の「高齢者指導の達人塾」セミナー(6ヶ月)が終わりを迎えます。1期目ということもあって、沢山の塾生が参加してくれました。ありがたいことです。

    「塾」が始まり、私の投稿も少し減り気味でしたが、これからはもう少し気合いと根性で、様々な情報を投稿していくつもりです。

    また、2期目の「塾生募集」も始めますので、興味のある方はぜひ参加してくださいね。詳細はまた、メルマガとここで発表します。

    最近では、医療費の値上げによって、ご自身の「健康」に対して目を向ける方が多くなってきたように感じています。これからも一緒に健康寿命延伸するために、一緒に進んでいきましょう!

    今回も、ありがとうございました(^_^)v

    ABOUT ME
    池田 扶実子
    運動指導者でありながら、身体を動かすことよりも考えることが好き。やりたいことを形にすることが大好き。 運動指導者として35年以上・教育者として30年、ここまでがむしゃらにやってきました。 仕事を終えるその日まで、指導者の働き方改革と人々の健康を発信し、応援し続けます。
    関連記事
    高齢者指導
    高齢者指導

                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                     歩行能力と、高齢者の生活機能・認知能力の関連性①「歩行運動」                       

    2023年7月22日
    if-Planning