運動指導者の働き方改革を推進する、池田扶実子です。
今日はストレッチングの方法について、深掘りしてみようと思います。
ストレッチングも筋トレも、方法を間違えば身体を痛める結果を招くことがあります。正しい姿勢を持ち、どこにも問題の無い人なら、教科書にあるようなストレッチングを、気にせずに行えます。
しかし、そのような人は逆に少ないのではないでしょうか?
指導する我々が、無理せず、不快感を持たずに行えるストレッチングの方法を、考えることが重要です。
今回は、「姿勢・体位」「関節角度」を変えるだけで行いやすくなるストレッチングをご紹介します。
例えば、この「大胸筋のストレッチング」が良い例です。
座って行えるものは”行いやすい”と思いがちです。この場合は、腰が反りやすくなるので、「立位」で行う方が、腰の反りのコントロールを行いやすいです。
特に、初心者のかたは一生懸命に伸ばそうとするために、腰が反りやすいです。気をつけたいですね。
次に、「腰のストレッチング」です。
先ず、腰のストレッチングとしては「仙骨」を浮かすことで、脊柱起立筋の腰の部分が伸ばされます。
ですが、「骨粗鬆症」の方にとっては禁忌動作となります。
腰椎に圧がかかり、圧迫骨折を起こす可能性があるからです。
これに似た動作でヨガの「鋤のポーズ」があります。これも同様に、禁忌動作です。
また、仰向けになったときに顎の上がる方……頸椎(首)から胸椎(胸)にかけて丸い背中(猫背)の方、そしてストレートネックの方には、仰臥位(仰向け寝)が辛い姿勢になります。この場合は、頭部に薄い枕のようなものがあると行いやすくなります。
最近では、高齢者だけでなく若い方にもストレートネックの方が増えています。「スマホ」「パソコン」を使う機会が多い方は、注意が必要です。
では、行いやすい「腰のストレッチング」を考えて見ましょう。
この方法なら、腰が痛くなる手前で止めることが出来る、つまりコントロールが出来ます。体位を変えて行うことも考えましょう。
次に「関節角度」です。
特にハムストリング(腿裏)は、硬い人が多いですね。
できるだけ多くの人に行っていただくには、色々な観点から方法を考えるべきですね。
このように、体位(立つ・座る・寝る(仰向け・うつ伏せ・横向き)とあります。
どの体位なら行いやすいのか?安全に行えるのかを考察しましょう。
ここに紹介したストレッチングは、ごく一部です。これらはまだまだ形を変えて、行いやすくすることが出来ます。
ストレッチングを考える時に、関節の動き・靱帯・筋肉の位置と関わる関節など、解剖学的な知識を元に考えると良いです。
もう一つ……ストレッチングを行う前には、必ずウォーミングアップが必要ですね。身体を温め、血流を促しましょう。また心もリラックスした状態で行うことが望ましいですし、筋肉も弛緩しやすいですね。
是非、指導に活かして下さいね。