運動指導者のあなたと、一緒に歩みたい池田扶実子です。最後に、「無料セミナーのお知らせ」がありますので、宜しくお願い致します。
久し振りの投稿です。2月はアメリカにいき、懐かしい友人や家族に会い、また運動施設なども視察してきました。その中で気づいたことを今日はお届け致します。
今までの記事にも「高齢者の筋トレ」として記事を挙げてきましたが、今回は”エキセントリックな運動”と”ラバーバンド”の活用を考えたいと思います。
少し前に、私のメルマガで、チューブ(ラバーバンド)エクササイズは効果があるのか?という問題提議をしました。基本的に高齢者には”ラバーバンド(チューブ)エクササイズは向かないというのが、一般的な考え方です。
それには以下のような理由があります。
- 終動負荷の強さ
- 息こらえ
①終動負荷は、チューブ(ラバーバンド)は、引っ張れば引っ張るほど負荷が高くなります。つまり、引っ張るほどに、戻ろうとする力が大きくなります。ラバーの強さと長さが、その個人の筋力に合っていなければ、動かす関節の可動域を十分に使うことが出来ません。
また、その強さが大きければ、力が抜けた瞬間にチューブ(ラバーバンド)は戻ろうとするので、意図せぬ力に引っ張られると言うことになり、危険です。けがをする可能性もあります。
②の「息こらえ」に関しては、あなたもご存じの通り、力を入れようと無意識に行うために起こりやすくなります。それにより急激な血圧上昇を招きかねません。
使い方次第かもしれません
私はアメリカで、有志による「運動の集まり」に参加しました。それは、高齢の方々ばかり(80歳以上93歳最高)で約20名~25名、素人の方々がそれぞれに勉強して運動の方法を考えて披露し、それに従って参加者は動くというクラブ活動のようなものでした。
その中に「指導者」はおらず、リーダーのような方が数名いて、1~8のカウントを数えながら動くという形で進められていました。
動きの中には「んっ、これは……?」と思うような動きもありましたが、参加者の皆さんは、自身の体力に合わせて行われていました。
その中に、ダンベルを使った運動、ラバーバンドを使った運動がありました。私も参加したので、動いてみましたが”まぁまぁな強度”がありました。私自身、それなりに一生懸命やった後……「筋肉痛」になり、効果があるんだなぁと感じました。
私がたどり着いた結果は、ツールの使い方次第……そして強度と回数の設定が重要であり、効果の高い方法はやはり実践するべきだと思いました。
実際に、私が長年親しくしていただいているスポーツ整形医の先生からは、エキセントリックな運動の方が効率よく、効果の出現も早いと仰っていました。
ただし、留意すべきことは一般成人の方々を指導するときと違って沢山あります。その中でも特に注意すべきは、動きのスピードとコントロールです。
同時に、強化する部位と関連する関節によっても使い方を変化させる必要がありますし、なんと言っても個人差の大きい高齢者に対しては、2~3段階の強度や回数を考えておく必要があります。
加えて、可動域をどこからどこまで使うのか?
力のない(筋力が小さい)人は、もちろん大きな可動域をチューブ(ラバー)で動かすことは、危険だと言えます。だから、動かす可動域をいくつかに分けて動かす、と言うようなアプローチが必要になります。
高齢者の筋力アップは、非常に難しいです。現状維持でもなかなかだと思います。ですが、方法やツールを考慮すれば、自体重だけで行うよりも遙かに大きな効果が得られる場合もあります。
最近のツールを使ったエクササイズ事情は、経費(お金)がかかるという理由で、どんどんなくなりつつあります。しかしツールを使うことで、より効果的に結果を出せる場合もあります。
また、私たちの指導現場も「大型スポーツクラブ」から、公共施設や高齢者施設と変化してきています。個人で買える程度のツールで、効果が得られるのであれば、考える余地ありだと私は考えます。
ただし、全ての高齢者に有効だとは言えません。あなたのお客様がどんな方々なのか?それは、あなたしか知りません。だから、あなたから見て、出来る・出来ないの判断が必要です。
どんな年齢であれ、今ある筋力をしっかりと使い、刺激することで筋力アップ・筋力維持できます。大いに動かす……あまりに憂慮していては、けがは起こらなくても、結果はついてきませんよね。
ツールを使ってみようか?と思ってきたのでは?時には目線を変えて、考えることも必要ではないでしょうか?
最後に……
今回の記事はいかがでしたか?
私の考えでは、高齢者に必要な筋力は「持久力」だと考えています。その持久力を上げるには、やはり総合的な筋力と筋バランスが必要です。
そのためにも、効果のある運動を行う必要があるのではないでしょうか?今後も一緒に考えていきましょう。
「無料セミナー」のお知らせです。今回は、下肢と足の筋肉の構造や、動きを確認し、どのような動きが必要なのかを一緒に考察しようと思います。参加希望の方は、下記のボタンをクリックしてくださいね。
では、また次回をお楽しみに……(^^)/