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指導者向け

高齢者の歩行と重心移行

運動指導者のこれからを一緒に歩みたい、池田扶実子です。

今日は「立つ・動く」という人の動作について。お話ししたいと思います。

私達の身体は、小さな足で支えられています。人の「静止立位」は足首を中心にした、振り子に似ています。

振子というのは、止まることが難しいですよね。少しでも力が加われば、動きます。人の身体も同じで、小さな支持面(足)の上に身体という大きな質量が乗っています。

少しでも動けば、振子のように人の身体は「揺れる」のです。

まっすぐに止まっているように見えますが、人の二足立位は非常に不安定で、実際には人の身体(重心)が小さく揺れながら静止立位を保っています。

どういうことかというと、人は感覚的なセンサーで位置や重心をコントロールしていると言うことです。

立つことは非常に難しい……試しに今、あなたはそこに立ち「静止」してみて下さい。本当に静止しようとすれば、かなりの筋力が必要になるはずです。

このように、「立つ」ことが難しいと言うことは、「歩く」という動作がいかに難しいか?理解出来ると思います。

立位での二足歩行時は、片脚支持期(片脚を前方へ動かすときの状態)に平衡が失われるために、力学的に難しいとされています。

人が歩行できるようになるには、生後約1年は必要だそうです。成人になると、筋力やバランス能力も充分になり、様々な歩き方が出来るようになります。

歩行の発達と退行は、下記の図に示すとおりです。

引用文献 (金子公宥、福永哲夫(編):バイオメカニクス、杏林書院、2004)

この図の着目して欲しい点が、真ん中の「成人歩行」と中高年型「成人歩行」です。「成人歩行」の場合は重心の移行が速やかに行われています。また、骨盤の様態にも注目です。

中高年の「成人歩行」はこの図で見ると、明らかに”疲労姿勢”ですね。では正しい姿勢になると、歩行も改善されるのでしょうか?

歩行動作は、脚だけではなく、体幹や腕の振りも伴い、身体全身で動いています。また歩行という動作は、移動動作であるために、重心が移動します。

若い方々の歩行は、前足にしっかりと重心が乗り、軽やかに歩きますが、中高年の歩行では、後ろ足にまだ重心が残っています。あくまでも年齢ではありませんが……

あなたが街中で観察すると理解して頂けるのではないでしょうか?

このように、高齢者の歩行を改善する場合は、姿勢だけでなく重心の移動もフォローする必要があります。また、加齢に伴うバランス機能の低下により、片脚での支持が難しくなる(前述)ので、バランス機能の改善もフォローしなければなりません。

んッ~「やること一杯!」

しかし、これでめげていては、指導できません。一つ一つ丁寧に指導していくしかありません。

またこの改善に繋がる運動指導ができると、ちまたで行っている「ビューティウォーキング」クラスなどなど、簡単に指導できるようになります。なぜなら、歩き方の基本を知り、実践できるからです。

人の身体は、本当に緻密に精巧に出来ています。だからこそ、使い方(動き方)を間違えると、色々な問題点が浮かび上がります。

加齢に伴う機能の低下(老化)は避けられない事実ですが、少しでも健康に、QOLの高い生活をして頂きたいといつも思います。

この歩行運動に関しては、もっと書かなければならないことが一杯、伝えたいことが一杯……。なので有料になりますが、実技を含めた講習を行います。

この記事に興味を持った指導者のあなた!是非、参加して下さいね。詳細は15日までに、このサイトとメルマガ、コミュニティにてお知らせします。

あとがき

私のミッションである「全ての高齢者が最後のその日まで、自分でトイレに行けるような社会(指導)」は、本当に手順や期間においても難しいと思いますが……あなたにも賛同して、一緒にそんな未来を描いて欲しいです。

高齢者指導のためのスクールを開催する予定です。前述の歩行の講習とは別に、高齢者指導に必要なことを全てぶちまけようと思います。

8月から開始予定でしたが、色々と準備もあり9月から始めます。こちらの詳細も、お盆までには出しますので、興味のある方は是非……。

まだまだ暑い日が続く8月……今年は特に暑いと感じるのは私だけかな?

疲れた時に食べる。千鳥屋さんの「葛豆腐」……8月末までの限定販売です。是非食べてみて下さい。夏はこれだよな~って思ってしまう逸品です。

ではまた~(^^)/

ABOUT ME
池田 扶実子
運動指導者でありながら、身体を動かすことよりも考えることが好き。やりたいことを形にすることが大好き。 運動指導者として35年以上・教育者として30年、ここまでがむしゃらにやってきました。 仕事を終えるその日まで、指導者の働き方改革と人々の健康を発信し、応援し続けます。