運動指導者のあなたと一緒に歩みたい、池田扶実子です。
今日のテーマは、”高齢者が運動に求めること”にフォーカスしてみたいと思います。
運動指導では、①安全②効果③楽しさという3つのポイントがあります。ですが高齢者にとって、本当にそうでしょうか?
もちろん、”安全第一”です。しかもクラスの目的に沿った”効果”も大切です。そして”楽しさ”……。
実際に、”楽しさ”がなければ、運動の継続はあり得ないとよく言われますが、高齢者にとっての”楽しさ”とはどういうことでしょうか?
一般的には、音楽が好き、振り付けが楽しい、高揚感があってストレス解消になる……などではないでしょうか?
高齢者も同じく、音楽や動きの楽しさはあるでしょう。ですが、高齢者にとっては、楽しいよりも「うれしい」という表現の法が正しいように思います。
私の知る限り、高齢者が運動に求めること、継続につながる”うれしい”感情は下記に書いた3つだと思うのです。
- 目的の効果が感じられること
- 自身がその運動について行ける(出来ること)
- つらくないこと(しんどくないこと)
この3つのうれしいには、短期的なもの(その場、その時。あるいは運動を始めてから3ヶ月程度まで)と長期的(運動を継続して感じること)なものがあります。では、具体的に説明していきます。
1つめの「目的の効果が感じられる」は、毎回の運動で「運動した実感」が感じられること。具体的には、「運動後に身体が軽くなったような気がする」、「この運動を続ければ、元気になれる気がする」、「よく眠れる」、「説明があって納得できる」など、これらは短期的(その場やその時に感じられること)な感想や実感です。
長期的な感想としては、「なんとなく元気だと感じる」「階段が以前よりも楽に感じる」「人から元気そうだねと言われた」「立ち座りが楽になった」……このような実感が「楽しい、うれしい」と感じることに繋がっていると思います。
2つめは、「その運動についていける(出来る)」という実感です。グループ指導では、沢山の人がいて、その人それぞれに体力差があります。その中にいて、「自分もやれば出来る」という自信……簡単に出来た!ではなく、「頑張ったら出来た」イコール、「自分もまだまだ出来る」という自信のことです。短期的には、「今日もなんとか出来たぞ」「これなら続けられそうだ」という感情です。
長期的な感想としては、「もう少し頑張ろう」「まだまだ、いける」という余裕を感じられることです。
3つめは、つらいと感じないことです。
短期的には、様々なフォロー(軽減アドバイス)やかけ声によって、しんどくない、つらくないと感じられることです。むしろ、自身の努力に「がんばってるぞ」という実感です。
長期的な感情としては、「集中できて、つらいと感じない」「少しくらいしんどくても、頑張れる」という自信が持てることです。
以上のように、楽しいは「毎日が元気でいられること」つまり、目的に合った効果を感じられることだと、私は思っています。
だからこそ、高齢者の運動を指導するときに、その運動の効果をしっかりと伝えることが重要です。そして私たちはその効果を出すための根拠を示すことが出来るようにすることが、「信頼」につながり、継続意識も高まります。
高齢者の方々は、私たちよりも多くの経験を持っています。だからこそ、「なぜ、このような運動を行うのか?」を知りたいと思っている人は少なくありません。
レジスタンス運動……例えば「スクワット」の場合。「脚力アップ出来ます」、「足腰を強くしましょう」と言うよりも、「スクワットを行うことで、太ももの前が強くなります。その筋が強くなると、立ち座りや身体を支える力が強くなります」と伝えた方がより具体的で、目的意識が明確になります。
実際に、立ち座りが楽になったかも?と感じたときに、あなたのクラスは欠かせないものになりますし、継続意欲もぐ~んとアップします。
高齢者は、一般成人よりももっと自分の身体の調子に敏感です。老いたくない、人のお世話になりたくないからこそ、運動するのだと感じています。
最後に……
いかがでしたか?あなたの感じていることと同じでしょうか?
簡単かつ、優しい運動なら高齢者であれば、誰でも出来るでしょう。しかし、高齢者の方々が運動に求めていることは、「効果」です。
その運動に効果もあり、また身体を動かしている時間が「楽しい」と感じられるのであれば、それは最高ではないでしょうか。
お知らせ
しばらく止まっていた「無料セミナー」開催致します。お盆明けには、日程や内容を出しますので、お楽しみにしてくださいね。
また11月6日(水)に大阪市にて、リアル講習会を開催致します。健康運動指導士、健康運動実践指導者方、ACSM資格取得者、JAFA資格保持者の方々には「更新単位がつく講習会です」。
詳しいことは、後日にこのブログ、メルマガ、Facebook、Instagramにてお知らせ致します。
では……暑い暑い夏ですが、体調を崩さずに……一緒に頑張りましょう!