快適に動ける体づくりのお手伝いをする、平田智子です。
今から22年前のこの時期に、母が脳梗塞を発症し、その時にもっとこのことを熟知しておけばよかったという思いをしたことがありました。母はその後、後遺症が残り不憫な生活を送ることになりましたが、脳梗塞は早く対処すれば後遺症を軽減できる可能性があります。快適に動ける体のための知っておきたいことの1つとしてお伝えします。
突然、家族や自分の様子が「なんだかおかしい…」と感じたら。それ、もしかすると脳梗塞の前兆かもしれません。
脳梗塞は早期発見と迅速な対応が命を左右する病気です。脳梗塞の初期サインをわかりやすく解説し、「気づいてすぐに行動する」ためのポイントをお伝えします。
脳梗塞のサインは「FAST」で覚えよう!
脳卒中(脳梗塞や脳出血など)のサインは、英単語「FAST」の頭文字で覚えやすく整理されています。
F:(Face) 顔 →片側の顔がゆがむ・笑っても片方の口角が下がる
A:(Arm) 腕 →腕が上がらない・片方に力が入らない
S:(Speech) 言葉→ ろれつが回らない・言葉が出にくい
T:(Time) 時間 →すぐに救急車を!119番通報が必要
この4つのサインは、一つでも当てはまったらすぐに受診が必要です。特に「Time(時間)」が最も重要です。発症からの対応が早ければ早いほど、後遺症を軽減できます。
その他の要注意症状
FAST以外にも、以下のような症状が出た場合は脳梗塞の可能性があります。
・片側の手足が突然しびれる、または動かせない
・視界がぼやける、見えにくくなる、二重に見える
・めまい、ふらつき、歩けない
・急な頭痛(特に出血性の脳卒中)
・意識がぼんやりする、会話が成立しない
「一時的に治った」でも油断は禁物
「さっきまでしゃべれなかったけど、今は大丈夫みたい」
このように症状が一時的に消えることもあります(TIA=一過性脳虚血発作)。しかし、これは“本格的な脳梗塞の前触れ”であることが多く、48時間以内に再発する可能性もあるそうです。
どんなに軽い症状でも、違和感を覚えたら必ず医療機関へ。
こんな人は特に注意!
以下に当てはまる方は、脳梗塞のリスクが高いため、日頃から体調の変化に敏感になりましょう。
・高血圧・糖尿病・脂質異常症の持病がある
・喫煙習慣がある
・不整脈(心房細動など)を指摘されている
・運動不足・肥満傾向
・60歳以上で生活習慣病がある
命を守るには「早く気づく」こと
顔、腕、言葉の異常を感じたら、ためらわずに119番!
脳梗塞は、1分1秒を争う緊急事態です。気になる症状があったとき、「様子を見よう」は禁物。あなたや大切な人の命を守るためにも、正しい知識と行動力を持っておきましょう。