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健康増進

ツールの活用(大ボール②)

快適に動ける体づくりのお手伝いをする、平田智子です。

前回は、大ボールに座ることをお伝えしました。
この大ボールに座るだけでもバランスを保つために腹筋を使います。常にボールが転がろうとするので、転がらないようにと体が反応し、その時に腹筋が働きます。常に腹筋が働くということは、血の巡りもよくなりしなやかな筋肉、体を保つことにつながります。
デスクワーク時など腰や背中がこわばる方は、大ボールに座りながら作業をすることで腰痛予防にもなります。

さて、この大ボールに座ってからのエクササイズですが、今回は簡単に上下に「はずむ」という動きを行います。
まず、はずむまえに注意として、痛みがある場合は行わない。また三半規管が弱い、車や船酔いをする、お腹一杯食べたという方は気分が悪くなる可能性があります。そのような時には行わないようにします。

では、小さくリズミカルにはずむことから始めます。
小さく上下にはずみ出し、徐々に大きくはずんでいきます。
大きくはずむと息が切れるぐらい強度も上がります。様子を見ながらはずむ大きさを調整しましょう。

はずむ時は、胸を張り背筋を伸ばし、背骨のS字カーブを保ちます。ちょうど体幹の前後を2枚の板に挟まれているような感じです。
頭が前のめりになったり、腰が反りすぎないように気をつける。
両手は太ももの上に置くか、前後に動かし、はずんで下へ沈んだ時に両肘を後ろへ引くようにする。

できるようになると簡単な「はずむ」というエクササイズですが、背骨と背骨の周りの筋肉に変化をもたらします。

まず上の方へはずんだ時に、背骨の周りの筋肉は牽引、つまり伸ばされます。そして下へしずんだ時は筋肉が縮みます。その繰り返しにより、背骨周辺の筋肉がよく働き血流もよくなります。
猫背で背中がかたくなり背筋が伸ばせなかった状態から、大ボールではずんだ後、背筋がピンと伸びるようになった方もいらっしゃいます。

そして、背骨と背骨の間のクッションのような働きをする椎間板。その水分の吸収率アップも期待されます。
椎間板のピークは30代がピークと言われています。そこから水分なども減り、背骨と背骨の間が狭くなってきます。
狭くなるということは、神経に当たる可能性が増え、腰痛や膝、脚などに痛みが出る場合があります。

加齢と共に体の機能が下降気味になるのは寂しいですが、少しでも希望が持てるのであれば椎間板のうるおいを保ちたいものです。
また筋肉にもアプローチし、柔軟性を高めて強くしなやかな体づくりにつなげたいと思います。
大ボールに座ってはずむだけのエクササイズ。背中やお腹への筋肉の動きを期待して、早速はずんでみましょう。

ABOUT ME
平田 智子
気がつけば、運動指導が30年以上続いており、自分でもびっくり。その間に怪我も体験し、健康のありがたさを実感しました。水中、陸上の両方で「いつまでも快適に動ける体を!」をモットーに、体づくりをサポートさせていただいています。