運動指導者のこれからを応援する、池田扶実子です。
今日は筋肉の種類から見る、運動の選択というテーマで、考えてみましょう。
筋肉の種類では、「速筋と遅筋」「横紋筋と平滑筋」のように、筋肉の何を見て分類するかによって違います。今回は、別の角度から筋肉を分類してみたいと思います。
骨格筋には抗重力筋を中心に、日常生活において常に緊張していて、柔軟性が低下しやすい骨格筋……緊張筋と、日常生活ではあまり活動せず、必要としたときにしか活動しない骨格筋……相動筋があります。
最近の参考書などでは見られない分類ですが、高齢者の運動を指導する上で参考に出来る分類なので、非常にお役立ちです。
それは何故かというと、一般的にストレッチするなら緊張筋を優先し、筋トレを行うのなら相動筋を優先する方が良いと考えられるからです。知っておけば、ストレッチングやトレーニングの部位選択にもお役立ちになるはずです。
ここで肩甲帯・腕まわりの緊張筋・相動筋を紹介します。
緊張筋は、大胸筋・肩甲挙筋・僧帽筋(下行部)・上腕二頭筋
相動筋は、菱形筋群・僧帽筋(上行部)・僧帽筋(水平部)・上腕三頭筋
大胸筋を例に説明します。大胸筋は緊張筋ですね。大胸筋は、胸骨を中心に左右に広がり、上腕骨の大結節稜に付着しています。つまり胸の骨から腕の骨に繋がっています。
この筋肉が緊張していくと言うことは、筋繊維の走行方向は横に走っていますから、腕が身体の方に近づく……胸が小さくなるわけです。
そうなると、背骨の状態はどうなるでしょうか?想像すれば理解出来ますよね?
ネットで、「大胸筋」を調べると見事にトレーニングしか出てきません。でも実際にはストレッチングすることが重要で、筋肉の長さがあって初めて姿勢が保たれます。その上で筋肉を鍛えることは良いことだと思いますが、見た目だけでトレーニングすると、正しい姿勢を保てなくなります。
このように、筋肉の種類を知るだけでも指導に活かすことが出来ます。
次回の「無料セミナー」では、この緊張筋と相動筋について解説しようと思っています。追ってお知らせしますので、是非ご参加下さいね。
あとがき
厳しい寒さが日本列島を覆っている今日この頃……
身体が冷えると、筋肉の緊張も高まります。なのでこの時期は十分なウォーミングアップをお勧めします。
特に高齢者の場合は、膝から下が冷えることで筋肉が緊張を起こしている方が多いです。足首の動き、膝関節の動きに対してウォーミングアップで調節すると良いですよ。
さぁ、明日もがんばりましょうね(^^)/