運動指導者のこれからを応援する、池田扶実子です。
今回は、「高齢者の筋トレ」について……先ずは何から始めるのか?を考えていこうと思います。
私のミッションは、この世に生きる高齢者の方々が、最後の日まで自分の足で立ち、トイレに行けることです。
私の父もそうでしたが、86歳で肺炎を起こし、入院するその日まで自分でトイレに行き、寝たきりになることなくこの世を去りました。
父は毎日公園に行き、歩き、鉄棒にぶら下がったり、腹筋運動したり……家族に迷惑をかけたくない、元気で過ごしたいという一念で、毎日運動していました。
雨の日になると、運動できないなぁ……と寂しそうにしていましたし、何よりも”身体が弱る”ことに不安・恐怖がありました。同じように、クラブのお客様で93歳の方も、父と同じく”動けなくなるのが怖いから”と言って、雨の日も必ず来られています。
身体に不安を持つ”高齢者”の方々は、常に自分の身体に自信がありません。
日常動作の中で、ふらつく、安定しない、痛みがあるなどの症状を持っていると、自信が持てません。
先ずは日常の基本動作をしっかり行えるように、強化する必要があります。
トレーナビリティ(運動の効果)は年齢に関係なくあるので、運動できる身体を持っていれば、運動をした方が格段に身体に良いと、私は思っています。
但し、高齢者の筋力アップは容易ではありません。しかし、身体を動かすことで、動きやすくなる=自信が持てるようになるのではないでしょうか?
基本動作……立つ・座る・歩くなど日常世活に必要な動きと、筋肉の種類を見ていきましょう。
①背骨・骨盤を直立する
背筋群・腹筋群・大臀筋・腸腰筋
②立つ・座る
大腿四頭筋・大臀筋・背筋群
③歩く
①と②の筋群・ハムストリングス・下腿三頭筋・前脛骨筋・腓骨筋
④腕を上げる(動かす)
僧帽筋・三角筋・棘上筋
このように、沢山の筋肉が協働して基本動作を形成しています。
では筋トレしましょう!と声をかけて、何人の方が行うでしょうか?最初は「やらなきゃ」という思いで行うでしょうが、なかなか継続しにくい面があります。
それは……しんどいから……
最近の運動施設では、高齢者対象の筋トレ(レジスタンス運動)クラスはありますか?おそらくですが、高齢者対象のものは……ない。
またレジスタンス運動となると、高齢者の方々は敬遠しがちです。しかし、やって貰わねば……ですよね。
今あなたが行っているレッスンに、先に挙げた筋肉群の動きを取り入れる……というのはいかがでしょうか?
そして、その動きを行う意義を伝えていく……少しずつでも筋トレが必要なことを意識して頂きましょう。
筋トレが重要だと言うこと、行うことで普段の生活が少しでも楽になる……それを理解して貰えば、あなたが高齢者対象のレジスタンス運動のクラスを新設したときに、参加する目的を持って参加する方が多くなるはずです。
ここに挙げた筋肉だけでなく、強化したい筋肉は沢山あります。先ずは、トレーニングに慣れて貰いましょう。それもグループで楽しくです。
あなたには沢山の高齢者の顧客がいるはずです。微力でも、少しずつ行うことで、参加者は学びます。それは動機付けになり、参加意欲となります。
明日から、少し……意識して行ってみませんか?
あとがき
次回以降、高齢者に必要な筋トレの方法をご紹介しますね。
行いやすい方法、安全且つ楽しく行う方法……一緒に考えましょう!
グループエクササイズの良いところは、人が集まり時間と場所、そして楽しさを共有出来るところです。是非、あなたのレッスンでも活用して欲しいです。
さぁ、明日も笑顔で元気な顔をお客様と共に……(^^)/