運動指導者の働き方改革を推進する、池田扶実子です。
前回は「レジスタンス運動」について書きました。今回は、具体的なエクササイズの方法について書こうと思います。
レジスタンス運動、ストレッチング……どちらもどの体位で、どんなポジションを選択するかで、安全性や効果が変わりますよね。
前回の記事(読んでない方はコチラ)にも書きましたが、後期高齢者(以降、高齢者と記載)の方々は、良い姿勢の方は皆無に等しく、何らかの工夫が必要です。
そもそもの話、動的姿勢・静的姿勢のどちらが行いやすいのでしょうか?
一般的には、静的姿勢です。骨や軟部組織に問題が無く筋力があれば、静的姿勢の方が行いやすいです。
ですが、高齢者になると話は変わります。特にレジスタンス運動では、アイソレーションさせるので、スタビリティさせる力が必要になります。
例えば、アームカールの場合
座る・立つ、どちらにしても、体幹を固定し腕のみを動かすことになります。ダンベルを持つとなるとたとえ軽くても、その重量に身体が引っ張られます。
体幹を安定させる力がある人なら行えますが、いかがでしょうか?あなたの参加者は体幹を固定できますか?
このように、身体のどこかを固定すること自体に、コントロール力とスタビリティが必要です。
なので、ヒールタッチやその場歩きを行いながら、両手で負荷無しのアームカールを行うなど、ながら運動の方が高齢者には姿勢バランスも取りやすく、行いやすいと言うことです。
何故かというと、姿勢の悪い人なりにいつもバランスを取って生活しているからです。動きながら行うことで、緊張した状態ではなくなり行いやすいと言えるでしょう。
またある程度のリズムがあった方が行いやすいようです。
あくまでも私が指導してきた経験の話ですので、例外もあります。また高齢になればなるほど、「個人差」が大きく反映されるので、年齢ではなく、その方の身体の状況によります。
私が思うに、昔ながらのローインパクトのエアロビクスで十分対応できるのではと思うくらいです。但し、指導者側に意図的な指導と、それに付随する知識と指導力が必要です。
高齢者の方々は、「出来る・出来ない」また、「楽しい・楽しくない」で運動の継続意欲が大きく変わります。
楽しく、音楽に合わせて動いていたら……何となく力が出るようになった。元気になった気がする……このような意見が出たら、大成功です。
さぁ、また一緒に頑張りましょう!