運動指導者のこれからを一緒に歩みたい、池田扶実子です。
今回のテーマは「ポジション」です。様々な指導の中で、動きのポジションを指導されていると思います。
高齢者にとって「正しいポジション」は、教科書にあるようなポジションでないことが多いです。それは、「関節可動域」が十分でないことと、筋力が無いこと(筋量)、体のゆがみなどが理由に挙げられます。
また、高齢者の体は「個体差」が大きく、同じような年齢や体型であっても抱えるリスクは違います。
なので、高齢者に対してポジションを取る……ストレッチングや筋トレ、ヨガ(ヨーガ)のポーズなど、ある一定の時間その位置を固定する場合は、注意が必要になります。
今回は股関節内転筋群のストレッチングを例に、解説していこうと思います。
良く教材などで使われているものとして、座位開脚から体幹の屈曲……
つまり、座って足を開いて、体を前に倒す……これは、一般の方でも出来ない方が多いですね。
これが出来ない理由は、
- ① 座った時点で骨盤が後傾し引き上げることが出来ない。
- ② 脚が十分に開かない……股関節の可動域が狭いからです。
これら以外にも、お腹が出っ張って前に倒せないという例もあります。
では立位で考えてみましょう。
膝を曲げた状態で、大きく足を開き、片方の膝の内側を押して伸ばす。
先のイラストを見てください。
○で記しています、「膝」と「股関節」に注目です。
- 十分に脚を開くことが出来るのか?
- 膝を曲げ、お尻を落とすこと(股関節の屈曲)が十分であるのか?
- 膝とつま先の方向が同じであるのか?
- 体重を支えられるのか?
今挙げた4点が出来ないと、十分に伸ばせません。でも……高齢者には難しいのでは?と、思いませんか?
脚が大きく開かなくても、股関節の屈曲が小さくても、多少は伸ばせます。高齢者であれば、それでも伸ばせるのであれば、それも良しです。
だからこそ、ポジションが大切なのです。脚を十分に開くことが出来ないなら、それなりに股関節の屈曲も浅くして行う。
少しでも筋肉が伸びているのを実感出来るポジションを考えることが大切です。
ここでもう一つ大切なことが「体重を支える」ことです。体重=負担です。膝が過屈曲にならないように、足裏の踵側に体重を置くようにすれば、膝の屈曲も行いやすくなります。
根気よく、ポジションを変化させながら、目的の筋の伸張をおこなって行きましょう。
もっと簡単に行うのであれば、椅子にお尻を置いて行えば、体重を支える必要がなく行えますが……レッスンなどではなかなか使えないツールですよね。
ということで、今日は内転筋群のストレッチングを例に挙げましたが、また違う例で解説していこうと思います。
私のメルマガでは、「スクワット」の解説を出しているので、良かったら読んでくださいね。
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あとがき
先週から、風邪を引いて……熱はないものの、喉痛みと咳が・・・コロナでは無かったのですが、かなりひつこい風邪のようです。
あなたも気をつけてお過ごしくださいね。ではまた……(^^)/