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高齢者指導

                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                 歩行能力と、高齢者の生活機能・認知能力の関連性①「歩行運動」                       

運動指導者のこれからを一緒に歩みたい、池田扶実子です。

今日は、タイトルにあるように高齢者の歩行能力が、生活能力や認知機能の関連性について、書いてみます。

歩行スピードと認知症に相関関係があるということが分かってきました。認知症にならず、生涯にわたり、「おむつ無し」で生活するには、歩行運動が重要です。今回は、その「歩行運動」について書いてみます。

また次回は、認知症との関連についても解説したいとお思いますので、次回もお見逃し無く、お願いいたします。

高齢者における、顕著な機能低下は「バランス機能」です。

高齢者の歩行能力は、筋力、平衡機能(バランス)などの体力因子との相関が高く、生活機能や認知機能とも強い関連性があることが分かってきました。

このことから、高齢者の歩行能力を調べることで、生活能力や認知機能などをある程度予測することが出来ると言われています。

加齢に伴う歩行能力の変化では、「歩行速度の減退」がもっとも顕著に表れます。

歩行速度は、62歳を過ぎると急激に低下する。

Himann, J.E., et al. :Age-related changes in speed of walking. Med Sci Sports Exerc , 20:161-166 1998

    

その低下率は、62歳までは1~2%に対して、62歳以降は男性で約16%、女性では12.4%の低下が見られたそうです。

このような加齢に伴う「歩行速度の低下」には、下肢筋力をはじめとする、様々な身体機能の低下によって起こっていると言えます。

では、私達はその低下を少しでも遅らせる……元気でいて頂く為にも、運動指導が重要です。

では、どのような運動が必要なのか?

下肢筋力の低下は、周知の事実です。それ以外にも、先に述べた、バランス能力の改善、股関節の可動域や、膝関節と足関節の連動という「脚の動かし方」も重要です。

街中で、中年以降の方々の歩き方を監察して下さい。必ずと言っていいほどに、足だけを動かしています。

「歩く」という動作は、脚だけではなく、全身で動くことが重要なんです。腕を振る、体幹の回旋動作が大きく関与します。

また高齢者になると、様々なリスクを抱えています。

そもそも正しい姿勢の高齢者……余りお見かけしませんよね。やはり長年の生活・行動習慣によって、姿勢に問題のある方が多いです。

なのでそういう方には、その状態が変えられるのか?無理なのか?によっても、その人なりの歩き方を見つける必要があります。

また、膝関節、足関節の動きも十分であるのか?どうか?……見るべき(チェックする)点は多いです。

痛みや内循環器の問題などがある場合は、医師に対して、運動を行っても良いのか?どのような運動はしてはいけないのかを確認する必要もあります。

それらの条件をクリアし、初めて「指導」になります。

実際に、歩行運動を行うと同時に「バランス機能」の改善するためのエクササイズも必要です。

やることが沢山あります!

「歩行スピード」を上げる為の運動を行う前に、歩行運動が正確に行えているのか?出来ていなければ、そこからのスタートです。

側湾症や椎間狭窄症などの、整形外科的な疾患は、深い知識と医師との連携(理学療法士も)が必要となるので、この場合は今回の話の中で一緒にしないで下さいね。

チェックポイント

歩くと言う動作は、誰もが毎日行っています。ただ、その歩き方は徐々に歩行スピードを落としていないのか?落とすような原因はどこにあるのか?

  • ①姿勢
  • ②足部の使い方
  • ③膝と股関節の連動
  • ④股関節など、脚まわりの筋肉の関節可動域
  • ⑤体幹と脚の連動

これら以外にまだまだありますが……今回はこの5つ。

特に考えなければいけないことは、歩くために使用する筋肉は、筋力と柔軟性を備えているのか……となると、筋トレやストレッチング(リリースを含む)が必要です。この話は、また後日に……

正しい歩き方を学ぶためには、使用する関節に対して、「ファンクショナルな運動」が重要です。

お客様に対して、積極的に行って頂く為には「何故必要なのか?」を説明しましょう。

加齢に伴い、各関節の可動域が狭くなり、そのために使われるべき筋肉を動かしていないと言うことを、しっかりと理解して頂くことが重要です。

「歩く」って、誰でも出来る動きだけれど、正しく体を使うと言う観点から見ると、とても難しいのです。それだけ、人の体は精巧、緻密に出来ていると言うことです。

「歩き方」を指導する対象は、シニアだけでなく誰にでも行う必要があるのでは?と私は思っています。

「正しい歩き方」については、有料・無料セミナーにて公開していこうと思います。

次回の記事は、歩行運動と認知症の関係です。
お楽しみにして下さいね。

あとがき

先日、高野山に行ってきました!

私の家では、荒神様をお祀りしています。その神社が高野山にあるので、何年かぶりに参拝させて頂きました。

高野山から戻ると不思議に力が湧いてきて、凄く元気になりました。
あなたもたまには空気の良い神社や仏閣に行くのも良いのでは?

お知らせです!近々、高齢者指導の達人セミナー(スクール)を開く予定で、今は忙しく動いています。

詳しいことは、後日、メルマガ・ブログ(このサイト)とFacebookグループで発表しますので、興味のある方は是非、ご参加下さいね。

ではまた……良い時間をお過ごし下さいね。

ABOUT ME
池田 扶実子
運動指導者でありながら、身体を動かすことよりも考えることが好き。やりたいことを形にすることが大好き。 運動指導者として35年以上・教育者として30年、ここまでがむしゃらにやってきました。 仕事を終えるその日まで、指導者の働き方改革と人々の健康を発信し、応援し続けます。